鹿ケ谷(ししがたに)かぼちゃは伝統の京野菜。その独特の形に思わず目を奪われます。今回はこの鹿ケ谷かぼちゃの代表的なお料理、鶏そぼろあんかけを作ってみましょう。
鹿ケ谷かぼちゃについて
文化年間(1804~1818)に山城国粟田村(現在の京都市東山区粟田口)の1農夫が、奥州津軽からかぼちゃの種子をもらい、これを愛宕郡鹿ヶ谷村(現在の左京区鹿ヶ谷)の農家に分け与え、栽培されたのが始まりとされています。
最初は普通の菊座形のものでしたが、栽培するうちにひょうたん形となり鹿ヶ谷中心に栽培が普及しました。
赤系晩生種で高さ20cm、重さ2~3kg程度となります。
深緑色の果実の表面には、大小の数多くの瘤があり、熟すと白い粉がふき、地色は淡い柿色に変色します。
味は淡泊で、その形のおもしろさから装飾用にも用いられます。 (最終更新:平成21年11月)近畿農政局ホームページより引用 http://www.maff.go.jp/kinki/seisan/engeitokusan/engesanti/k06.html
材料 (鹿ケ谷かぼちゃを半分使って作りました)
- 鹿ケ谷かぼちゃ 1/2個 (約1キロ)
- だし汁 800ml
- 砂糖 大さじ3
- 酒 大さじ3
- 薄口しょうゆ 大さじ2
- 片栗粉 大さじ1
鶏そぼろ
- 鶏ひき肉 200g
- 酒 大さじ2
- しょうゆ 大さじ1
- 生姜汁 小さじ1
作り方
- 鹿ケ谷かぼちゃを半分に切り、種を取り除く。皮をところどころ剥く。
皮が固いので、面積の半分以上を剥くようにします。
- 鹿ケ谷かぼちゃを食べやすい大きさに切り、面取りをする。
- 鍋に鶏ひき肉、酒大さじ2、しょうゆ大さじ1、生姜汁小さじ1を入れ火にかける。中火で混ぜながら煮詰め、ポロポロになったら火を止める。
- 鍋に鹿ケ谷かぼちゃとだし汁を入れ火にかける。沸いたら落し蓋をして弱火で3~4分煮る。
- 砂糖大さじ3、酒大さじ3を加え、4~5分煮る。
- 薄口しょうゆ大さじ2を加える。鹿ケ谷かぼちゃに串がスーッと通る位にやわらかくなったら3の鶏そぼろを加える。
- 片栗粉大さじ1を水大さじ2で溶く。6に入れ、混ぜる。とろみが出たら火を止める。
試食のじかん
ごつごつした鹿ケ谷かぼちゃも煮ると透明感のある上品な姿を現します。お料理を美しく見せてくれる最高の素材だったのです。そんな美しさが感じられる煮ものをまずは一つ食べてみます。キメが細かく口の中でサラッと溶けるような食感。そしてかぼちゃの味は淡白にして奥ゆかしい存在感がある。すべてに上品さが漂う鹿ケ谷かぼちゃでした。
鹿ケ谷かぼちゃの生産者さん
上野 秀一さん (上野農園田吾作) 京都府京都市