つ・む・ぎ通信 7月3日
はじめて知った“食農保育
今年の3月に遡りますが、日本有機農業研究会の大会で、「食農保育で共に育つ」という分科会に参加しました。“食農教育”は聞きなれていますが、“食農保育”は聞いたことがなく、分科会でも、先進的な取り組みとして、3名の方が発表されました。先進例としては2つで、1つは給食に有機野菜を使いながら子どもの五感も育てる保育をしているエイビイシイ保育園(新宿区)、もう一つは園庭を農家の庭先化し、園児が自然に土に親しみ栽培を体験し、視界の中には常に作物や果樹が育っている環境をつくりあげている八国山保育園と上の原さくら保育園(東村山市)です。今回はエイビイシイ保育園の例を、有機野菜を実際に調理している栄養士さんと提携有機農家の魚住さんのお2人の発表からまとめて、お伝えしますね。
新宿のエイビイシイ保育園は土地柄もあり24時間保育の保育園です。この保育園では給食に有機野菜を使っています。それも、茨城で有機農業を営む魚住農園から直接届く旬の有機野菜をたっぷりと。野菜の種類は一応は注文というカタチですが、それは農園で前年に収穫された季節ごとの野菜の種類を参考に月ごとに献立を立てて発注するという、農家に合わせた注文。もちろん、昨年はあったけど今年はないというケースもあり、注文とは違う野菜や珍しい野菜が入ってくることもありますが、そこは臨機応変。例えば、冬のカレーには大根が入ったりすることも。また、野菜には土も虫も付いてくるので、洗い方(水をためて2回かえ、葉物は振り洗い)は特に丁寧に気を遣い、皮付のまま使います。24時間保育なので、園児は昼食と夕食の2食+おやつを園でとり、それは一日の食事の75%になるそうです。おやつも有機野菜や無添加食材を使って手作りされます。時には子どもたちも栄養士さんと一緒になって野菜の皮むきをしたり、またある時は人参の葉についていたアゲハチョウの幼虫を育てて観察したり。この園では栄養士さんがとても大切な存在だということが分かります。分科会を聴きにこられていて発言を求められた園長さん曰く、「うちの園では保育士さんより栄養士さんのほうがお給料が少し高いんです」と。確か栄養士さんの人数も多く、90名の園児に対し、10名以上だったでしょうか。ざっくばらんで肝っ玉母さんのような印象の園長さんでしたが、この園長さん夫妻が2003年に魚住農園を訪れて、意気投合して有機野菜を使った給食を始めたそうで、納得でした。4年前には大震災が起こり、魚住農園がある茨城県は福島県と隣り合わせ、土の汚染も深刻でとても悩んだそうですが、放射能データを定期的に開示することで、保護者の理解を得たそうです。毎年夏には必ず職員が魚住農園にジャガイモ掘りの援農に行き、子どもたちも田植えや稲刈りに参加。園でも子どもたちが魚住農園の大豆で味噌づくりをしたり、プランターで野菜を栽培したりするなど、都会のビルに囲まれた環境にありながらですが、自然と関わる機会を通して食や農への関心を高め、子どもたちの五感を刺激しながら豊かな心を育めるよう、取り組んでいます。
食農保育とは、ことば通りですが、保育園での食と農に関する取り組みだということが先ず分かりました。保育園は共働き世帯の子どもたちが通うので、おのずと園で過ごす時間は長く、そこでの“暮らし体験”はとても大切。これから共働き世帯はもっと当たり前になってくるわけで、保育園での“暮らし”を意識した保育としての“食農保育”が、子どもたちの健やかな成長に貢献できれば、それは素晴らしいことですね☆ つづく・・・
本日のお野菜
- きゅうり 8本分
今回もたくさんお届けです。太めはキュウリもみで酢の物や和え物にしたり、炒めものにも。細めは糠漬けや生でもろきゅうなどにどうぞ☆キュウリのニンニク醤油炒め~太めのキュウリを使って~【材料】キュウリ ニンニク 塩 醤油 ごま油
❶キュウリは3mm幅くらいの斜め薄切りにしてから千切りにして塩を加えて塩もみ。出てきた水はぎゅっと絞る。
❷ごま油をフライパンに熱し、千切りのニンニクを加えて香りがたったら①を加えて強火で炒める。
❸キュウリがしんなりして生の食感がなくなるまでよく炒めたら、醤油で調味して出来上がり。
※キュウリの水分や醤油が残らないように、最後まで強火で水分を飛ばしながら炒めるのがコツ。キュウリが淡泊な素材なので、醤油は濃いめに味付けするとコクが出て中華風の美味しい炒めものになります。出来上がりの熱いうちは柔らかな食感ですが、冷蔵庫で冷やしておくと不思議とパリパリした食感が戻ります。
- インゲン 200g
- ミニ人参 350g(+100g)
間引きに手がまわらず(>_<)“押しくら饅頭”で育ってしまったエリアを残さず収穫することにしました。表面がぶつかり合って溶けたり傷んだりの部分をある程度は取り除いたのですが、あとは食べる前にタワシで擦って泥をキレイに落としてから皮を剥いて頂く方が良さそうです(100g増量しました)・・・ご面倒おかけして申し訳ありませんが、どうぞ宜しくお願い致します。
- ジャガイモ 600g(+150g)
今年は中心にスが入っているものが多く、また、ここへきて疫病が発症し始め、置いておくと腐ってくるものがあり困ったものです。表面が濡れてきて押すと汁が出てくるのが腐り始めのサインです。初期ならその部分だけ取り除けば食べられますが、だんだん全体が悪くなってしまうので、冷蔵保存にて早めにお使い下さい。150g(中1個分)多くお入しました
- セロリ 350g
巷で出回るセロリは化学肥料と農薬漬けのお化け?有機栽培だとそんなに太くなりませんが、スジを取らなくてよく香りも甘みもあります。茎を使った後に残る葉は細かく刻んで薬味的にサラダや温野菜に散らしたり、炒め物に入れたり、茹でて胡麻和え(春菊や人参葉のような感じ)や茹でて刻んで油で炒めてお醤油・みりんで佃煮にするとご飯にピッタリです^0^
- 玉ねぎ 400g
- 湘南レッド200g(+1割増し)
傷んだ外皮は剥いていますが、ポツポツとした傷みが残っているで1割多めにお入れしています。そこだけ包丁で取り除いて下さい。スライスして辛味が抜けるまで水にさらして水気を切り、かつおぶしやツナなどをのせ醤油をかけて混ぜて食べるのが昔ながらの定番ですが、サラダに加えたり、ピクルスにしてもキレイです。火を通しても藤色になりキレイで甘味も強いです。
- かぶ 500g(+100g)
時期的に表面の虫食い・穴あきありが多いのと、カブの時期もあと少しでラストスパートなので多めにお届けしますね。皮を剥いてお使い下さい。
- レタス 1個分
春蒔き第三弾の半結球レタスが、高温多湿のレタスには厳しい環境の中で、何とか収穫できました。畑ではすぐ溶けてしまうと思うので今回限りになりそうですが・・・外側の葉は少し苦みを感じましたが、ゆるく結球した部分はとても美味しかったです☆
井上昌代さん (有機農園つ・む・ぎ) 神奈川県中郡二宮町